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日本の住宅に用いられている「屋根」には、シンプルな三角屋根から複雑な段違い屋根、天候や建築法規に配慮したデザインまでさまざまなものがあります。
リフォームやリノベーションを行う際は、ご家族の生活スタイルや家の立地などに合わせて屋根を選ぶことが大切です。
今回は、家屋に用いられる「屋根」の種類とそれぞれの特徴をご紹介します。
屋根の種類その1:切妻屋根 (きりつまやね)
「切妻屋根」は、2つの面をそのまま合わせた屋根のこと。
三角屋根と言われる通り、日本で最も一般的な屋根の種類だと言えます。
シンプルな構造なので比較的安価に済み、角度を付けることで雨や雪にも強くなります。
屋根の種類その2:方形屋根 (ほうぎょやね、ほうぎょうやね)
4つの三角形から構成される「方形屋根」は、その名の通り正方形に近い住宅に適した屋根の形です。
4方向すべての面が同じ形をしているので、風にも強い特徴を持ちます。
屋根の種類その3:寄棟屋根 (よせむねやね)
正倉院など日本の歴史ある建物にも用いられる「寄棟屋根」。
前述の方形屋根は4つの三角形が「点」で交わるのに対し、三角形と台形からなる「寄棟屋根」は線状の主棟を持ちます。こちらも風に強く、長方形の住宅に適した種類です。
屋根の種類その4:陸屋根 (りくやね・ろくやね)
傾斜が一切付けられていない平面の屋根を「陸屋根」と呼びます。
屋上緑化や太陽光発電など屋上スペースを有効活用することができますが、防水加工が重要になるので木造には適しません。
屋根の種類その5:片流れ屋根
「片流れ屋根」も1枚の平面屋根ですが、こちらはその名の通り雨水を一方向に流せるよう傾斜が付けられています。
効率よく太陽光発電ができる形状ですが、雨水の流れが一辺に集中するのでしっかりとした雨仕舞が必要です。
屋根の種類その6:入母屋屋根(いりもややね)
「入母屋屋根」は、ちょうど台形の「寄棟屋根」に三角屋根の「切妻屋根」を乗せたような形状をしています。
由緒ある日本家屋のデザインとして知られ、重厚な意匠と通気性の良さが魅力ですが、複雑な構造なので雨漏りのリスクは高い種類だと言えます。
屋根の種類その7:袴腰屋根(はかまごしやね)
「袴腰屋根」は、三角形の切妻屋根の頂点(主棟大鬼)を削ったような形の特殊な屋根。道路傾斜制限など何らかの理由があって導入することが一般的です。
屋根の種類その8:招き屋根
「招き屋根」は三角形の切妻屋根を一面だけ高くしたような、高低差のある形状をしています。低い方の屋根は「差しかけ屋根」と呼ばれ、こちらの雨仕舞をしっかりしておけば天井が高く夏涼しく冬暖かい、太陽光発電にも適した形をしています。
今回ご紹介した屋根は、それぞれ異なる特徴を持っています。リフォームをご検討されている方は、ご自宅の立地や生活スタイル、お住いの地域の気候などに合わせて選ぶと良いでしょう。