家族構成の変化や子どもの成長、ライフスタイルの変化などによって、住んでいる家が手狭に感じたり、使い勝手が悪く感じたりするようになることは少なくありません。
そんなときに、増築リフォームを検討することもあるでしょう。
しかし、物理的に増築が可能だとしても法令などにより制限されるケースもあることをご存知でしょうか。
ここでは、増築リフォームを検討する際に注意しておきたいポイントをご説明します。
増築リフォームが難しいのはどんな場合?
増築リフォームを計画しても希望通りにはできない場合があります。
主な例として、以下のようなものが挙げられます。
・建ぺい率と容積率がすでにいっぱいの場合
土地に対して建てられる建物の建ぺい率と容積率には上限が定められています。
新築時にこの上限ぎりぎりで建てた住まいの場合、緩和がなされていなければ増築できないケースが多いです。
・異なる工法、構造方式で増築したい場合
木造の在来工法と、パネル工法や鉄骨造など、工法が異なれば構造計算の方法も変わってきます。
異なる工法を組み合わせた混構造では、構造計算がかなり複雑になることなどから、現在の家屋と異なる工法、構造方式で増築するのは現実的に難しいことが多いでしょう。
・現在の住まいが「既存不適格建築物」である場合
建築基準法は、時代に合わせて改正が重ねられています。
このため、新築のときには建築基準法を満たしていた建物が、法改正によって基準を満たさなくなってしまうことがあります。
こうした建物は新築時から法に適合していなかった違法物件とは区別して「既存不適格建築物」と呼ばれ、そのまま使用しても良いことになっていますが、増築をおこなう際には原則として法令に適合するようにしなければならないことになっています。法令に適合するためには、単純な増築リフォームでは済まないことが多くなります。
以上のような場合でも、増築リフォームが絶対にできないというわけではありません。
どのようなリフォームであれば可能なのかを専門家に相談しながらプランニングしていくことをおすすめします。
増築リフォームにも必要!? 建築確認申請とは
建物を建てる場合、これから建てる建築物が建築基準法やその他の法令に適合しているかの確認を受ける必要があります。
その確認のために行うのが建築確認申請です。
建築確認というと、新築のときにだけ申請するもののように思われるかもしれませんが、増築の際にも基本的に申請が必要です。
ただし、以下の2つの条件を同時に満たす場合は確認申請が不要です。
(1)10平米以下の増築である
(2)建物の所在地が「防火地域」「準防火地域」以外にある
上記2つの条件を同時に満たす場合以外は、増築リフォームであっても建築確認申請が必要です。
建築確認申請には専門的な知識が必要となるため、リフォーム会社を通じて建築士に依頼するのが一般的です。
図面作成や申請手数料など費用が発生するため、あらかじめリフォーム会社に確認しておきましょう。
増築リフォームを検討する際に注意しておきたいポイントについてお伝えしました。
増築リフォームのプランニングの前に、しっかりと確認しておくことをおすすめします。